2019年7月下旬、香川雅春副所長・准教授が、身体計測の国際的な標準化と確かな計測技術を持つ「身体計測技師(Anthropometrist)」に対して認定制度をおこなっているThe International Society for the Advancement of Kinanthropometry(ISAK:国際キンアンソロポメトリー推進学会)から、認定レベルの最高位であるレベル4(Criterion:基準者)身体計測技師に認定されました。
これは、香川副所長・准教授のこれまでの身体計測を活用した研究領域(Kinanthropometry:キンアンソロポメトリー)における研究活動と業績、そして豊富な知識に基づいた約20年にわたる後進の育成などの功績が認められたことによるものです。2019年9月現在、レベル4の身体計測技師は世界に16名のみであり、日本人として初となります。
身長や体重、周径や皮下脂肪厚などの身体計測は身体サイズ、プロポーション、健康状態やスポーツのパフォーマンスとの関連など、世界中で様々な目的で用いられていますが、計測値には計測機器や計測者の技術の高さが大きく影響します。ISAKは世界の異なる場所で多岐にわたる専門領域の専門家によって計測されたデータを共有・比較できる環境を整えることで、科学の進歩と人々の幸せに貢献することを目的として、ISAK基準として知られる身体計測基準の制定と、確かな技術を持つ身体計測技師の育成をおこなっています。
現在、ISAK基準は健康・スポーツ医科学領域における身体計測基準として国際的に認知されており、育成・認定された国際身体計測技師も確かな計測技術を持つとして高い信頼を得ています。香川副所長・准教授が認定を受けたレベル4身体計測技師は世界中で身体計測技師を指導し、国際社会で発表されるキンアンソロポメトリー研究を評価する役割を担います。
また計測された値は全ての身体計測技師が最も正確な値として基準に用いるため、レベル4身体計測技師はまさに世界における身体計測の「判定基準(Criteria)」を示す立場となります。
ISAKによる国際身体計測技師認定プログラムは世界中で毎月50回程度の頻度で開催され、現在世界68ヵ国で認定を受けた身体計測技師が活躍していますが(2019年1月時点)、国内では香川准教授とインストラクターであるレベル3の認定者によって年間2-4回の認定プログラムが開催されています。これまでに学部や大学院の学生のほか、柔道整復師、スポーツインストラクター、理学療法士、栄養士、管理栄養士、養護教諭、アスレティックトレーナーなど、多岐にわたる専門領域で活躍されている方が認定を受けています。
香川副所長・准教授にはこれからも専門である公衆衛生学・心理学・スポーツ科学領域におけるキンアンソロポメトリー研究での活躍と共に、レベル4身体計測技師として「正しく計測する」ことの重要性とそのために必要な技術習得に向けた指導が期待されます。