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活動・業績報告

香川雅春准教授の学術業績・社会貢献活動(2022年)

2022年
香川雅春准教授が第53回アジア太平洋公衆衛生学術連合国際会議でポスター賞の第2位を受賞しました

2022年9月22・23日にフィリピン・マニラでの対面とオンラインのハイブリッド形式で開催された、第53回アジア太平洋公衆衛生学術連合(The 53rd Asia-Pacific Academic Consortium for Public Health:APACPH)の国際学術会議において、栄養科学研究所の香川雅春副所長・准教授が発表した以下の研究を発表したポスターが、ベストバーチャルポスター賞の第2位(Second place, Best Virtual Poster Presentation)に選ばれました。

「A development of prediction equations for height estimation using segment heights/lengths for young Japanese females (若年日本人女性における部位別長径および高径を用いた身長推定式の開発)」

賞状を持つ香川副所長・准教授

この研究は、加齢や疾病、障害によって立位での身長測定が行えない対象者に対して最も正確に身長を推定しうる長径(指極や上肢長など)や高径(下腿高など)を検証したものです。多様な身体状況の対象者に対して可能な限り正確な体位の推定を行うための研究として、今後の更なる発展が望まれます。

香川副所長がインドネシアの大学生に対してオンライン講義を実施

香川雅春栄養科学研究所副所長・准教授は、自身が客員教員を務めているインドネシアのアイルランガ大学の学生に対して開講されたサマープログラムで、「日本食の変遷:和食と健康」と題したシリーズ講義を2022年9月に行いました。

9月5-7日および28日の4日に亘って開講された講義は、それぞれ1)和食を構成している要因を含めた和食の歴史、2)時代と共に変化している日本の食事と課題、3)日本における健康問題、そして4)食育と日本におけるヘルスプロモーションについて講義を行い、その後参加者からの質問に答える形で実施されました。

各回には多くの参加者があり、アイルランガ大学がニュースで発信した内容は地元のTimes Indonesiaのサイトでも取り上げられました。

Times Indonesiaサイト:
https://www.timesindonesia.co.id/read/news/427210/fkm-unair-ajak-mahasiswa-kenali-washoku-kuliner-tradisional-jepang

今年はアイルランガ大学の教員との論文の共同執筆もあり、今後のアイルランガ大学との活発な学術交流が期待されています。

香川副所長がタイの大学院生に対してオンライン講義を実施

去る2022年9月30日、栄養科学研究所の香川雅春副所長・准教授は、客員教授を務めているマヒドン大学の大学院生に対して特別講義を行いました。「Innovation and NCD prevention and management」と題した講義では、NCD(Non-Communicable Diseases: 非感染性疾患)の予防や予後のマネージメントに対する革新的な取り組みに焦点を当て講義を行いました。予防の観点では、がん患者は特有のにおいを有することに着目して、優れた嗅覚を持つことが知られているCaenorhabditis elegans (C. elegans)という線虫を用いたがん検査の手法が開発されていることについて、予後のマネージメントの観点では、ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)に続く、Muse細胞という非腫瘍性の多能性幹細胞による再生医療の発展について紹介がされました。講義の後の質疑応答では、参加した大学院生から再生医療についてなど、様々な質問が出されました。

マヒドン大学は本学とは2012年に包括的学術連携の了解覚書(Memorandum of Understanding: MOU)が取り交わされており、これまでにも大学院生の受け入れなどの交流が行われてきました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって渡航が制限されていましたが、今年はオンラインで学部生に対して双方が紹介する機会を設けるなど、栄養科学研究所では大学間の学術・文化交流が継続されるよう新しい取り組みを行っています。今後もこのような取り組みの継続が期待されます。

香川准教授がパラ・パワーリフティング選手に対して講義とサポート活動を行いました。

栄養科学研究所の香川雅春副所長・准教授は、日本で唯一人国際キンアンソロポメトリー推進学会(The International Society for the Advancement of Kinanthropometry: ISAK)から最上位のレベル4の認定を受けている国際的な身体計測技師として、国内外で長年身体計測・体組成測定に関する講演や計測技術の指導を行っています。この度、特定非営利活動法人日本パラ・パワーリフティング連盟(JPPF)からご依頼をいただき、去る2022年4月2日(土)および3日(日)に合宿が行われていた日本財団パラアリーナでスタッフに向けた身体計測の指導、スタッフと選手に向けた講義、そしてコンディショニングの一環として選手に対する身体計測が実施されました。

計測指導は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に対する感染予防対策を徹底して行われました。指導では計測に用いる機器の説明から始まり、対象となる選手のコンディショニングに活用できると思われる計測部位の特定の仕方や、実際の計測の手順について紹介されました。一般的に身体計測は立位で行いますが、パラアスリートの中には車いすを利用されている選手が一定の割合でいることを想定し、対象者が座位の姿勢にある状態で計測する手法について紹介がされました。

皮下脂肪厚の計測方法についての指導の様子

スタッフと選手に対する講義では、選手自身が自分の身体について関心を持ち、客観的に把握することの重要性、しかし日本では広く知られている「体脂肪率」には振り回されることの危険性について説明がされました。そして皮下脂肪厚など身体計測を活用したコンディショニングの手法について紹介がされました。講義の後の質疑応答では、実際の経験に基づく活発な意見交換がされました。

選手・スタッフに向けた講義の様子

計測の指導と講義の実施については、日本パラ・パワーリフティング連盟の公式Facebookでもご紹介いただきました。

日本パラ・パワーリフティング連盟Facebook記事:
https://www.facebook.com/jpanparapower/posts/5114609135313824

そして、より科学的根拠に基づいたコンディショニングを実施することを目的として、選手に対して詳細な身体計測を4月2日と3日の両日行われました。今後も定期的に選手の皆さんの計測を行い、パフォーマンスとの関連をモニタリングしていく予定です。また、パラ・パワーリフティング選手に対する身体計測やパフォーマンスに関する研究はこれまで世界的にも報告が無いため、この活動は日本パラ・パワーリフティング連盟および栄養サポートを担当されている株式会社LEOCの担当スタッフとの共同研究として位置づけ、新しい知見については今後学会や学術論文を通して報告をしていく予定です。

パラ・パワーリフティングとは:下肢障がい者と低身長(18歳以上の男性で145 cm以下、女性で140 cm以下)の者が参加できる、ベンチプレス競技。選手の体重によって男女それぞれ10階級に分かれて競う体重階級別競技。1964年の東京オリンピック・パラリンピックで正式種目となった。3回の試技の中で、水平を維持した状態でバーベルを胸まで降ろした後、持ち上げることができた最も重い挙上重量が記録となる。

詳細は下記の日本パラ・パワーリフティング連盟HPをご参照ください。

日本パラ・パワーリフティング連盟HP: https://jppf.jp/

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